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寺水がもたらす西灘・明石の酒造りをゆったり愉しむ酒蔵巡り

神戸の灘に対し、「西灘」と呼ばれ、江戸時代から酒造りが盛んな明石。
酒米や水、風土に恵まれたこの地には、かつては70軒ほどの酒蔵があったといいます。
今回は現在も創業を続ける酒蔵を巡る、お酒好きにはたまらない、「ウィズアス監修!寺水がもたらす西灘・明石の酒造りをゆったり愉しむ酒蔵巡り」を体験してきました。
ちなみに今回のツアーは、ユニバーサルツーリズムの専門機関であるNPO法人ウィズアスの監修の下、高齢や障がい等の有無に関わらず、誰でも気兼ねなく参加できる企画となっています。

茨木酒造

茨木酒造は、西灘に残る6つの酒蔵の一つ。

嘉永元年(1848年)に創業を開始しました。

現在は東京農大で醸造学を学び、丹波杜氏の元で修業を積んだ、9代目の蔵元兼杜氏と蔵人の二人でお酒造りをおこなっています。

造られるお酒の材料は「山田錦」や「五百万石」、「兵庫北錦」などの兵庫県産の酒米、水は中軟水の湧水を使用。

こちら酒蔵はほとんどが手作業。酒造りはもちろん、瓶詰めなどもほぼ全てを二人でこなしているんだそう。

 

 

店内には数々のお酒が並んでいます。

一緒にいただく料理に合わせて、ペアリングのアドバイスもしていただけるので、相談してみるのもおすすめ。

令和3年酒造年度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞した「来楽大吟醸35」も購入できますよ。

アルコールが飲めない子どもから大人まで楽しむことができる甘酒も販売。
米と麹だけで造られた自然な甘さが、とても飲みやすいです。

こちらは、「北流れ」という酒蔵の伝統的な工法を用いて造られた酒蔵。

南側は土壁で造られ、屋根の面積が少ないため、太陽の熱の影響を受けず、北側からは常に涼しい風が吹き込んでくる構造のため、蔵温度が暑くならない仕組みなんだそう。

とても貴重な建物で、兵庫県の有形文化財に登録されています。

酒造りに使用する機械も見せていただきます。

通常瓶貯蔵として使用される冷蔵施設を麹室へ転用することでより清潔さを保ったり、酒粕と酒を分ける連続式自動ろ過圧搾機には、香りが付きにくい素材を使用するなど、細部にまでこだわりを感じます。

普段はなかなか見ることのできない酒造りの工程を知ることで、飲むだけではないお酒の魅力も味わうことができるのがいいですね。

ちなみに落語家さんを招いて酒蔵寄席を行ったり、田植えから酒造りを楽しめる「来楽仕込みの会」など、地域の方や日本酒好きの方が楽しめるイベントも開催しているので、こちらもおすすめ。

【茨木酒造】

住所:〒674-0084 兵庫県明石市魚住町西岡1377

電話:078-946-0061

営業時間:9:00~18:00

定休日:不定休

 

 

明石みつぼし

ランチは、1947年創業の歴史ある魚の棚商店街内の和食処、明石みつぼしへ。

落ち着いた雰囲気の中、たこ飯や海鮮丼をはじめ、御膳やコース料理など明石ならではの食材を使ったお料理がいただけます。 せいろで蒸したたこ飯や天ぷら、まえもん(明石の魚)の刺身など、明石名物を味わえる和膳メニューが特に人気です。

【明石みつぼし】

住所:〒673-0892 兵庫県明石市本町1丁目2−4

電話:078-911-3381

営業時間:11:30 ~ 15:00

     17:00 ~ 21:30(LO20:30)

定休日:日曜日、年始

 

明石酒類醸造

2022年8月にオープンした明石酒類醸造株式会社の「明石酒類醸造&海峡蒸溜所ビジターセンター」。

明石酒類醸造株式会社は、江戸末期から醤油製造を営み、大正7年からは明石酒類醸造株式会社を創業し、現在は清酒、リキュール、ウィスキー、ジン等を製造しています。

 

看板商品である清酒「明石鯛」は、海外のコンクールでも金賞を受賞するなど、その味が認められ、

クイーンエリザベス号でも取り扱われているそう。

 

まずはビジターセンターへ。

吹き抜けになっていて、とても開放的な空間で、見ているだけでワクワクしてきます。

商品はお酒だけではなく、明石でのりや、Tシャツ、酒器など、幅広いラインナップ。

ちなみにここでしか買えない限定商品もあるので、見逃せません。

こちらのスペースでは、利き酒体験もすることができます
3種類のコースがあり、今回はAコース。
7種類の中から3つを選びます。

今回は、純米大吟醸原酒明石鯛、特別純米酒明石鯛、限定酒無濾過生原酒をいただきます。

お酒の種類によって酒器が変わるのも面白いですね。

グラスでいただくのは純米大吟醸原酒明石鯛。

フルーティーな香りが鼻に抜けていきます。

 

なかなかいろんな種類のお酒を飲み比べることがなかったのですが、どれも色や香り、味が違っているので、とても楽しいです。

ちなみにお酒についてのお話もお伺いすることができるので、

自分に合ったお酒を探せるのも魅力ですね。

続いては海峡蒸溜所の見学。

迫力のある2機の蒸溜器がお出迎えしてくれます。
まるでフルーツのような優しい香りがします。
ちなみに蒸溜酒を造る過程によって、香りが変化していくそうなので、

どんな香りに出会えるかはその時のお楽しみ。
日本酒とはまた違った行程で造られるウイスキーやジンの話も聞くことができるのも面白いですよ。

11月からは、明石酒類醸造&海峡蒸溜所ビジターセンターを見学できるツアーも実施しているのだそう。(要予約)
普段は見ることのできない製造工程を見学できるので、おすすめです。

 

 

【明石酒類醸造】

住所:〒673-0871 兵庫県明石市大蔵八幡町1−3

電話:078-919-0277

営業時間:11:00~18:00